2014年5月27日火曜日

パイロット カスタムヘリテイジ92 万年筆 (PILOT CUSTOM HERITAGE 92 FKVH-15SRS-NC F)

どうも文虫です。
だいぶ過ごしやすい暖かさになってきた今日この頃
皆様はいかがお過ごしでしょうか?

さて、今月の11日は母の日でしたね。

文虫は母に万年筆をと思い、文具店にて、カスタムヘリテイジ92(ノンカラー)
を母の日にインク付きのギフトセットでプレゼントしました。

セットのインクには無難に色彩雫の月夜をチョイス。
ギフトセットに手書きのミニレターも添えてのプレゼントです。

母は万年筆なんて購入したことがないので、インクの
入れ方から使い方まで教えるのがセットです(笑)

甲斐あってばっちり仕事で活用してくれているそうです。
良かった良かった。

そんなわけで今回は母の日にもプレゼントしました
カスタムヘリテイジ92の記事を書きたいと思います。

カスタムヘリテイジ92 スケルトン
パイロットの現行ラインナップ中、ヘリテイジシリーズは
以下の3種類のようですね。

CUSTOM HERITAGE 92
CUSTOM HERITAGE 91

10号ニブの912が最も大柄。
価格的に一番高価という事もあり
ヘリテイジシリーズの中では所謂
トップグレードにあたるかと思います。

92と91は概ね同寸なので、違いは機構とカラーぐらい

91は両用式で非スケルトン 92はスクリュー吸入式でスケルトン

ヘリテイジ92のほうが吸入式で少々凝った作りの為、価格は91よりも少々高め。
内部構造やインクを見て楽しむ事ができる92のほうが趣味向きな感じです。


スケルトンが涼しげ

・外観
外観はヘリテイジらしく、ベスト型でクリップもシンプルな剣型。
金属パーツもロジウムコーティングのシルバーとクセのないデザイン。

パイロット定番である、「バランス型+金玉クリップ+金鍍金」だと、
どうしてもクラシックな印象になるので、若い方や女性にはちょっと抵抗があるかもしれません。

本格金ペンでもあり、シンプルなデザインを好む方にとって、この
ヘリテイジシリーズは素敵な候補のひとつになるのではないでしょうか?


インクが良く見えます

ヘリテイジ92の目玉、スクリュー式吸入機構は1.2mlとタンク容量もあり
筆記量が多い日でも安心です。コンバーターだと、人によっては1日もたない
場合もありますから・・・

スケルトン+吸入式による、インクの見易さは外観の良さに直結しています。
インクとの間に樹脂が1枚だけの姿はインクがとてもクリアに見え、インクを見る
楽しみを書き手に提供してくれます。

夏に爽やかなブルー系のインクを吸わせ、風流なスイカ柄の絵葉書やレターセットに
手書きする事を想像すると、なんだか良い文が書けそうな気がしてきます。

そんな想像(妄想)をさせてくれるのも万年筆の醍醐味?


5号ニブ
ペン先は5号ニブでヘリテイジ91やカスタム74等と同じサイズ。
デザインも同じです。

大きすぎず小さすぎず、派手すぎず、地味すぎません。
この適度な華やかさがパイロットらしいというか日本的な気がします。

サイズもこれくらいなら「気負わず丁度良い」という方も多いのではないでしょうか?

コンパクトな14金ペン先
仕上げは安定のパイロット品質
造形が良いですね

・分解と手入れ
コンバーター式ではない為、基本分解は必要ありません。
ただ薄い7mmスパナと一定の工具があれば全分解する事は容易です。

通常、分解をする必要はないのですが、胴軸内側の子傷や、くすみが気になったのと
長持ちさせるべくコーティングを施す為に分解しました。

作業用の革マットで傷がつかないよに注意です

7.14mmなので7mmスパナじゃ噛まない場合も

スケルトンなので分解の方法はスパナ片手に考えればすぐにわかると思います。
この後、色々と手をいれました。

透明度が大幅アップ
各部品を洗浄後、軸外周と内周を研磨、ピストンのパッキン部分には
ごく少量の透明シリコンでグリスアップ。
こうすることでピストンの機密性が保たれ
ロッド側へのインクの進入防止
結露防止に役立ちます。

摺動抵抗も下がり
ピストンも滑らかに動きます。
ゴムの経年劣化も抑えます。

ネジ山にも細かなバリやゴミがあるので除去
ネジ山を研磨→すり合わせを確認した上でグリスアップ。

仕上げにガラスコーティング剤で内部、外部ともに
コーティングをしてカスタムメンテナンス終了。

アクリル系樹脂部品は紫外線を受けると劣化します。クリアパーツの場合
透明度が下がってきてしまいますのでコーティング等で紫外線対策を行う事で
美観を長持ちさせる事ができます。

一度紫外線で樹脂内部が白濁したり黄ばむと、いくら表層を研磨しても
復活はしませんので、購入後すぐにコーティングをする事が大事です。
とはいえ・・・分解したら保障がきかなくなりますので注意(笑)

他にもメリットが・・・
 ・インクが簡単におちるので洗浄が簡単。(すぐに新しいインクが使える)
 ・インク残量が確認しやすくなる(内壁にインクがへばりつかない)
 ・スレ傷がつきにくい

時間も手間もかかり、保障もきかなくなりますが
そのぶんの見返りは得られます。

入念に内部研磨し、美しくなりました

透明度があがりインクも映えます(マンダリン)
我ながら新品以上の仕上がり!


・書き味
パイロット品質で安心です(笑)
手の感覚は旨く文字にする事が難しいですが・・・

ニブは軟調ニブとかではなく、エラが長くもないため気持ち硬め。

しかし、書き出し時やペン先に紙が触れる瞬間、
線を延ばす時、手に伝わる振動には金ペンらしい、粘りがあるように感じます。
ちょっと書くぶんには些細な事かもしれませんが大量筆記となると
この小さな違いが大きくなるのかもしれません。

「塵も積もれば山となる」ですね。

今回のヘリテイジ92のペン先はFです。
MDノート コットンのような風合いの凸凹がある紙に筆記すると
独特の振動が手に伝わります。

これを不快と感じるか好きと感じるかは様々ですが、文虫は
書くたびに「スーッ」と音たてながらペン先から伝わる振動を手で
感じつつ文字を書くのは好きです。

太字のヌルヌル感もいいですけどね!


書き味は好み!


・感想
パイロットの定番万年筆、カスタム74と同じサイズ感で使用できる吸入式万年筆。
カジュアルなルックスながら本格の14金ペン先で本格万年筆書き味が堪能できます。

涼しげなスケルトンは吸わせるインクによって表情を変え、使う楽しみ以外に
見る楽しみ、コーディネートする楽しみ等、スケルトン+吸入式のヘリテイジ92なら
では醍醐味があります。

価格も1万円半ばと少し頑張れば購入できる価格なのも良いですね。
これから万年筆を使う初心者さんから、上級者さんまでは納得のクオリティー。

また、スケルトンは華があるのでギフトやプレゼントとしてもオススメです。

自分で買う場合、どうしてもベーシックな物を選びがちで、スケルトン等
遊び心のあるモデルは万年筆好きな方以外、中々選ばないものです。

数あるラインナップの中で、自分ではなかなか買わない
こういうちょっぴり”はずし”た商品はプレゼントとして
とても良いのではないでしょうか?

少なくとも文虫はプレゼントされたら泣いて喜びます(笑)
(万年筆好きってプレゼントする事はあってもプレゼントされる事ってないですよね!)



今年も夏が近づいてきました




2015年5月08日追記


Aさんからの依頼でヘリテイジ92にボディの研磨とコーティング
ニブのバイカラー化をお願いされたのでやってみました。

A氏のヘリテイジ92 美しい仕上がり
軸の内部が曇っていたのでなかなかやり応えがありましたがキレイになりました。
ついでににシリンダー内壁の保護の為にガラス硬化皮膜を施しました。
かなり美しくなったと思います。



バイカラー化

透明軸×バイカラー なかなか乙な組み合わせ


ロジウム仕上げのヘリテイジ92をカスタム845のようにバイカラー化
14金なのでそれほど黄金色が強くならないのが逆に良い雰囲気です。


満足のいく仕上がり

やはりスケルトン万年筆には鮮やかなインクが映えます。
A氏は満足していただけるだろうか?




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